茜町春彦パーソナルメディア

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「読書ログ」

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この本の対象読者:現政権が主張する憲法改正について不信感をもっている人.

読書感想:
なぜ、現政権は憲法9条を改正しようとするのでしょうか?

不景気に喘ぐアメリカの兵器メーカーからオスプレイとかイージスアショアとかをジャンジャン買うためと、官僚が大勢天下れるように国内の防衛産業に自衛艦とか戦車とかドカドカ発注してやるためです.

まぁ、主としてそう云う事だと思います.

戦闘機を買うにしても戦車を発注するにしても、防衛費を増額するには、財務省とか国会に認めさせる根拠が必要です.根拠もなく予算を増やせとは言えないですからね.

しかし9条を改正して自衛隊の活動範囲を広げれば、そのぶん装備費用が増えるのは当たり前であると大威張りで言えるわけです.

 

・・・だけれども、まぁ、アンナ問題とかコンナ問題とかのスキャンダルを揉み消しながら現政権はよくも長続きするものだとは思いますが、メディアは追求を途中でやめるし、圧力ですかねぇ・・・

・・・それに総裁再選のルールだって都合よく変更しちゃうの見ると、国のルールだって都合よく変更しちゃおうとするのも分かる気がするけど・・・

・・・それと経済政策だって出鱈目で経済音痴がばれているのにも拘らず、支持する人が沢山いるもの不思議と云うか何と云うか、経済センスゼロを誤魔化すために軍事方面に国民の目を向けようとしているのでしょうかねぇ・・・

 

それはそれとして、GHQが考えた国家体制つまり象徴天皇制の陰に隠れた在日米軍に政府が支配されたままで、9条を改正したら自衛隊在日米軍の単なる先兵になりますよ.

侵略戦のお先棒担ぎ.航空母艦とか爆撃機とかの軍事費が国民生活を圧迫するようになるだけです.

国民に対しては防衛の為だと煽って軍拡したって明るい未来は来ないでしょう.軍隊は破壊するのが仕事で、生産性は無いですからね.

どうしても9条を改正するというなら、国家体制を共和制にする事と在日米軍を撤退させる事が先ですよ.

だいたい、戦後レジームからの脱却などとでっかい事を言いながら、9条改正の主張はするのに、在日米軍による占領状態には黙ったまま何も言わないのは全く変ですよね.どういうことですか!

・・・まぁそれから、在日米軍を撤退させるとしたら、きっと米兵は生活に困るだろうから、日本政府が米兵の転職先の斡旋を約束してやったらいいと思いますよ.農業とか林業とかの業界に、思いやり予算から補助金を出せば、雇用できるんじゃないかなぁ・・・

・・・トラクターの運転も戦車の運転も大して違わないでしょう、人手不足解消も出来て、一石二鳥かも・・・

・・・ついでに在韓米軍の米兵も雇ってやったらどうでしょう、中ソも欧州も含めて軍縮が進めば世の中ずっと良くなると思うんですけどねぇ・・・

・・・軍拡を叫ぶ政府はダメな政府だと思うんですけどねぇ・・・

 


えーっと、本の内容についてですが、僕的には第5章が一番面白かったです.

ちょっと引用してみます.
(P151)・・・アメリカの要求は日本が独自の軍事力をもって自立せよということではありません.アメリカのグローバル戦略の一部を肩代わりせよということです.だからその後に進められた日本の軍事化は、「日米の一体化」を条件にしています.日本は軍備を強化するが、その「軍」は米軍の指揮下でしか動けないということです・・・しかし日本の指導層は、この対米従属をあたかも対等の関係であるかのように「日米同盟」と呼び・・・軍事強化が「国威」の発揚であるかのように振舞っています・・・自分たちが無条件降伏した、つまりグーの音も出ないまでに負かされたアメリカに今度は身を預け、近隣諸国を敵視することで過去の栄光幻想にしがみつく、それが敗戦をすり抜けた日本の統治層の抜きがたい習性なのだと思わざるをえません・・・国民は国のために尽くすべきであって、国に権利を要求するなどもってのほか、という自民党憲法草案に如実にあらわれています・・・
引用を終わります.

読んだ本の題名:「改憲」の論点
著者:木村草太、その他7名(集英社新書、880円税別)
発行:2018年7月18日第1刷