茜町春彦パーソナルメディア

投稿は不定期です.

「読書ログ」最終回

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白井聡著『国体論(集英社新書)』を少しづつ読み進めながら、感想文を投稿しました.この記事が最終回となります.

国体論:終章の1~終章の3

終章では、戦後日本の国家体制とアメリカの軍事戦略に関して論じています.

ちょっと引用します.
(P316)・・・戦後に天皇制を語る際に繰り返し参照されてきた、「一木一草に天皇制がある」という中国文学者の竹内好の有名な言葉がある.この言葉は、「天皇制的なるもの」が、天皇と実際に近接・接触している政治機構上部の統治エリートのなかで発生し、社会全体に一方的に押しつけられていったのではなく、日本社会の至る所で「天皇制的なるもの」が形づくられているとの指摘である・・・しかし、「天皇制的なるもの」が仮に空気のように遍在する、すなわち日本社会の在り方を永久に規定する定めにあるのならば、その支配から逃れることをわれわれは諦めるほかないであろう.つまり、天皇制に関する一見「深い」議論は、その克服の不可能性を結論することにしばしば帰着する・・・
引用を終わります.

 

本当に御上意識が今でも社会全体に残っていますかねぇ、よく分かりませんが、一般の国民の意識の中にはもう殆ど無いような気がしますけどね・・・

まぁ、それは兎も角として、日本の国家指導者層にとって大事なことは、天皇制などではなく、アメリカ政府の意向だと思います.政治家や官僚はアメリカ政府の意向に従うために汲々としているように見えます.

思いやりがあるから予算を出しますとか、戦闘は戦闘じゃないとか、無茶な理屈を考え出すのに汲々としているように見えます.

米軍基地問題でも、海外派兵でも、オスプレイでも、TPPでも、原発の問題でも、官僚主導の政治では官僚に付け込まれるだけだと思います.官僚の後ろにいるのは米政府ですからね、国民は税金だけ払って黙っていろ、使い方は俺たち官僚が自由に決めると云うことです.

国民自身が自分たちの未来を決める権利をアメリカ政府から取り戻して、つまり国家体制を共和制に移行して、国民主権のもとで政治家を、そして官僚をコントロールする本当の民主主義体制に変えれば、こう云う問題を解決できる社会になると思うのですけどね・・・
(了)