茜町春彦パーソナルメディア

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「読書ログ」

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題名:私物化される国家
著者:中野晃一(角川新書、820円税別)
発行:2018年2月10日初版

国民主権度:高い
対象読者:現在の政治状況に危惧を抱いている人

感想:この本は、現在の政治状況を分かりやすく解説しています.平易な文体で書いてありますので読み易いと思います.要約すれば、政治と云うものは社会全体のために行なうものであって、特定のお友達のために行なうものではない、ということになると思います.

ちょっと引用してみますと、
(P219)・・・市民社会の側で、ポジティブな新しい動きがある一方で、安倍政権の側で、これを押さえつけるようなあくどい動きが加速することも同時に起きている.ただ、ある意味開き直ってやっていくしかない.負けたところでどうなるかと言えば、そこでまた抵抗していくしかない.それが抵抗運動の弱さであり強さでもある.自発的に服従しろ、と国家をほしいままに私物化する保守反動勢力に抗って、それにとどまらずよりよい社会をつくろうと思っていても、当面は抵抗運動でしかありえない.こういった勢力に潰されないように粘り強く取り組んでいくほかない・・・
(P221)・・・自由や民主主義を壊す、基本的人権をないがしろにするような動きに対して、立ち上がってそれを守ろうとすることは、政治的に偏向しているということとは全く違う.より多くの市民がこれらの原則のために声をあげなくては、どんどん常識が壊されていくことになる.「言論の自由」とは、守るものではなく、行使するものだ.恐れず行使しつづけることによってはじめて「言論の自由」は守れるのであって、「守ろう!」と拳を突き上げて守るものではない・・・
引用を終わります.