題名：スチーム・ガール
著者：エリザベス・ベア（創元ＳＦ文庫、1200円税別）
発行：2017年10月20日初版
スチームパンク度：中くらい
冒険活劇度：高い
ハッピーエンド度：内緒
性表現：多少あります
対象読者：軽い感じのＳＦが好きな人
感想：ミシン女 ｖｓ 手袋男の闘いを描いた長編スチームパンクＳＦ小説です．連続殺人事件がストーリーに絡んで来て幾らか探偵小説っぽさも漂わせています．
主人公ミスカレンメメリーが読者に語りかける一人称の文体が気持ちよく聞こえてきました．そして、この主人公の積極的な行動がストーリーを前進させているので、読んでいて気持ち好かったです．
設定は１９世紀のアメリカですが、現代アメリカに於ける黒人やインディアンや同性愛者などのマイノリティに対する白人男性からの抑圧を描いているとも云えるでしょう．暗喩を使った間接的な表現ではありますが、舞台は娼館なので性表現が含まれています．
