茜町春彦パーソナルメディア

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「読書ログ」日本の税金

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この本の対象読者:
税金制度の概略を学びたいと思っている人

読書感想:
僕は、会社員だった頃、税制に関心が全くありませんでしたねぇ.給与明細をもらっても、まあ取り敢えず銀行に振り込まれてれば、税制なんてどうでもいいや、と云う感じだったかなぁ.

個人事業主になった後も、確定申告は自分でするようになったけど、計算が終わればそれっきりで、税制自体には中々関心を持てませんでしたね.取っ付き難いですしねぇ・・・

消費税10%とかは直接支払いに関係しますから気になりますけど、制度の中で消費税や所得税などがどのような位置づけになっているのかなんて、スルーしてました.

去年のことですけど本屋でこの新書を見かけて何故かその時は手にとりパラパラめくってみて、所得税法人税・消費税・相続税・間接税・地方税・国際課税と税制全般について簡単に読めそうだ、とは思って買ってみたけれど、そのままにしていましたが、やっと読んでみて、チョット税制について詳しくなった気がします.税制評論家にでもなれるような気がします.気だけですけどね・・・

この新書では、税金の計算方法自体の解説はしていません.解説している事は、税金の意味は何かと云う事や、どのような仕組みにするべきかと云う事です.

ちょっと引用してみます.
(P33)・・・AさんもBさんも、ともに給与所得が500万円ある.Aさんは奥さんと子どもが二人いるが、子育てのために奥さんは家事に専念している.一方、Bさんは独身で、親も元気に働いている.この場合、二人の所得税の負担はどうあるべきか?

二人の税負担が同じでよいと考える人は、「所得」税を「所得」に課税する「物税」と理解していることになる.

しかし、所得税は物に課税するのではなく、あくまでもその所得を得た人について、その負担能力を考慮して課税する制度であり、「人税」としての性格を持っている.この点が、固定資産税や消費税と基本的に異なるのである.

所得が同じ金額であっても、その人の人的事情を考慮すれば税金を負担できる力(担税力)はいろいろ異なってくる.子どもが多い人や病気の家族を抱えている人など、様々な事情がある.所得税法の最大の利点はこの点を適切に配慮しうる点にあり、だからこそ・・・
引用を終わります.

読んだ本の題名:日本の税金
著者:三木義一(岩波新書、840円税別)
発行:2018年9月20日第3版第1刷
(了)