この本の対象読者:
昨今の若年層が保守化していることに興味もしくは疑問を持っている人
読書感想:
本のタイトルの意味は、朝日新聞などの昨今のメディアは既得権を守っているばかりで相対的に保守化していので、既得権を破壊したいと思っている若者は朝日を嫌うという意味です.
尤も著者の橘玲自身は朝日好きのようです.それから遺伝、進化論の話は若干強引な気がしますけどね・・・
●ちょっと引用してみます.
(P40)・・・「リベラル」の最大の失態は、「雇用破壊」とか「残業代ゼロ」とか叫んでいるうちに、同一労働同一賃金などのリベラルな政策で保守の安倍政権に先を越されたことだ.
普遍的な人権を至上の価値とするリベラルこそが、先頭に立って日本社会の前近代的「差別」とたたかわなくてはならなかった.
なぜそれができないかというと、大企業の労働組合もマスコミも、正社員の既得権にしがみつく中高年の男性に支配されているからだろう.ここに、日本の「リベラル」の欺瞞がある.彼らは差別に反対しながら、自らが「差別」する側にいるのだ.
日本的雇用は権力によって強制されているわけではない.「非正規社員を雇用しなくてならない」とか、「女性を管理職や役員にしてはならない」という法律があるわけでもない.
彼らがほんもののリベラルなら、まずは自分たちの会社で差別的な雇用制度を廃止し、積極的に女性管理職を登用したうえで、堂々と同一労働同一賃金の実現や、「女性が活躍する社会」を主張すればいいのだ.
そうすれば若者たちも、喜んでリベラルを支持するようになるにちがいない・・・
●引用を終わります.