茜町春彦パーソナルメディア

投稿は不定期です.

「読書ログ」第18回第19回合併号

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白井聡著『国体論(集英社新書)』を少しづつ読み進めながら、感想文を投稿しています.この記事は第18回と第19回の合併号となります.

 

国体論:6章の1、6章の2

丸山眞男吉本隆明の評論とか安保闘争とか三島由紀夫の決起とか連続企業爆破事件とか、終戦から75年頃までの話を6章の1と2では扱っています.

ちょっと引用します.
(P190)・・・戦後の対米従属レジームに対する最大の内発的な抵抗が生じたのは、60年安保においてであった・・・1960年の安保改定が実行されるまで、日米安保体制は盤石とは言えなかった.岸の前任者、石橋湛山は、明確に多元外交論者であり・・・首相退任後も岸による安保改定を批判し、さらに後には岸を引き継いだ池田政権の対米姿勢をも批判した・・・岸政権がやろうとしていた安保条約の改定の内容を、反対に立ち上がった群衆はよく理解していなかったと言われる・・・あの時群衆が爆発させた憤りは、条約の改定のあれこれの具体的内容に対してというよりも、岸信介という戦前戦中の軍国主義を想起させるキャラクター、さらにその人物がアメリカとの媒介者となって対米従属体制を強化し、永久化させようとしていることのいかがわしさに対する、ほとんど生理的な嫌悪感に基いていた.この直感は正しかった.今日明らかになった事情、すなわち核兵器持ち込みの事前協議の問題に代表される密約の存在に鑑みれば、表向きの対等化など理解するに値せず、群衆の積極的無理解はむしろ改定の本質を衝いていた.岸に対する嫌悪、安保改定に対する嫌悪はそれぞれ、「戦前の国体」と「戦後の国体」に対する嫌悪だったのである・・・
引用を終わります.

自民党は政策がいいから政権についているのか、それとも在日米軍の後ろ盾があるから政権についているのか知りませんが、速やかに戦後レジームから脱却して共和制に移行して頂きたいと思う今日この頃です.
(次回へ続く)