茜町春彦パーソナルメディア

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「読書ログ」

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題名:映画の見方がわかる本 ブレードランナーの未来世紀
著者:町山智浩新潮文庫、670円税別)
発行:2017年11月1日

粗筋説明度:高い
雑学情報度:高い
対象読者:映画マニア、若しくは、見ていないのに見たような気になりたい人

感想:ターミネーターとかプラトーンとかロボコップ等々の80年代の映画の評論集です.単行本を文庫化したものです.

この著者の映画の解読方法は古典的ではありますが、面白いです.映画そのものの解説よりも、脇道にそれた話の方が更に面白いです.

ちょっと引用してみます.
(P377)・・・未来に向かって物事が良くなっていく、という考えは、近代(モダン)の基本であり、近代の科学、産業、経済、国家、芸術、哲学のすべてがこの「進歩史観」に基づいている.この考えを「物語」にすると「日常に流されていた主人公が、現実に潜む問題に目覚め、自分の意志で状況を改善しようと行動する」という展開になる・・・この物語を教育に置き換えると、「勉強して立派な大人になって世の中をよくしましょう」という近代市民教育の理念となる.歴史に置き換えると、「中世の因習と無知の闇に閉じ込められていた民衆が、啓蒙によって眼を開かれ、市民としての自覚を持ち、主体的に国家を作っていく」という西欧近代市民社会の理念となる・・・近代のものは皆「啓蒙→主体確立→全体の進歩」という同じ「物語」に支えられているのだ・・・しかし、それもみんな、ただの物語にすぎないとバレてしまった・・・
引用を終わります.